◇プロボクシングWBC世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦(2022年12月3日 英ロンドン トットナム・ホットスパー・スタジアム)
WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(34=英国)が同級13位デレク・チゾラ(38=英国、ジンバブエ)に10回2分51秒TKO勝ちして3度目の防衛に成功した。ダウンこそ奪えなかったものの序盤から速いジャブ、パワフルなストレート、アッパーと自在に打ち込み、粘るチゾラを8回に右ストレートでぐらつかせると、10回終盤にダメージを見たレフェリーが試合を止めた。2人は今回が3度目の対戦で、11年7月は3―0判定、14年11月は10回TKOでフューリーが勝っていた。戦績はフューリーが34戦33勝(24KO)1分け、チゾラは33勝(23KO)13敗。
フューリーはリング上で「集まってくれた6万5000人の観衆一人一人に感謝する」と大声援に応え、「いい感じで戦えていた。チゾラは英国が生んだ真の戦士で、3回戦えたのは光栄だ。KOするつもりで戦っていたが、できなかった」と友人でもある挑戦者を称えた。チゾラも「止めてくれなかったら、ひどいことになっていたかもしれない。レフェリーには感謝している」と答えた。
引退表明と復帰宣言を繰り返してきたフューリーにとって、チゾラ戦はWBAスーパー&IBF&WBO統一同級王者オレクサンドル・ウシク(35=ウクライナ)との4団体統一戦への“調整試合”とみられていた。リングサイドではウシクがWBO同級暫定王者ジョー・ジョイス(37=英国)とともに観戦しており、フューリーが呼びかけるとリングに登場。フューリーはウシクを“ウサギ呼ばわり”すると「次はお前だぞ。お前はボディービルダーに勝ったかもしれないが、俺はそんなに弱くねえ。ぜひ俺とお前でやろうぜ。この争いに終止符を打ってやる。どうするんだ?やるのか?」と2分間にわたり面と向かってまくし立てた。
英語を話さないウシクはコメントしなかったが、ジョイスが割って入り「俺だってやってやるぞ」と参戦を表明。フューリーは「ウシクにやる気がないのならやってやるよ。ビッグマッチを回避してきた多くの連中がいるが、これ以上逃げさせるわけにはいかない」とほえまくった。フューリーとウシクによる4団体王座統一戦は来春の開催が期待されているが、フューリーは右手と右肘に手術が必要なケガを負っていることも付け加えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f0c229a6f4f0070a4436943c315bb53d23d4a34f
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