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◆プロボクシング ▽東洋太平洋フェザー級王座決定戦12回戦 同級2位・堤駿斗(判定)同級3位・ジョー・サンティシマ(31日、東京・後楽園ホール)  アマチュア13冠からプロ入りした東洋太平洋フェザー級2位・堤駿斗(23)=志成=が、国内最速で同級王座を獲得した。同級3位ジョー・サンティシマ(27)=フィリピン=と王座決定戦を行い、序盤から左でペースを握り3―0の大差判定勝ち。昨年7月のデビューからわずか3戦目で東洋太平洋王座を獲得した。堤の戦績は3戦全勝、サンティシマは22勝(19KO)6敗。  最終12回終了のゴングに舌を出し、悔しさ半分、うれしさ半分の複雑な表情で両手を突き上げた。判定のアナウンスを聞くまでもなく、堤は勝利を確信した。「(最終回は)スタンディングダウンを取ってくれと思った。でも、この試合のテーマはまず勝つこと。強敵にいい内容で勝てたことはよかった」。赤いベルトを手にすると実感が湧いたのか、素直に喜んだ。  アマの逸材は元世界挑戦経験者のサンティシマを初回から圧倒した。左、左、左。「ジャブは相手の左目を狙って打った。相手の距離感をつぶそうと思い、狙った」という言葉通り、見事に左で試合を支配。ジャッジ1人はフルマーク、残る2人も8、10ポイント差という内容。プロ3戦目の東洋太平洋王座獲得は、元世界3階級制覇王者・田中恒成(畑中)、元東洋太平洋、WBOアジアパシフィックフェザー級王者・清水聡(大橋)の4戦目を抜く堂々の国内最速記録だ。「記録とかよりも、強いサンティシマに差をつけて勝てたことがよかった」と3戦連続でKO勝利は逃しながらも納得の勝利を強調した。  ライバルであり、友人の存在も刺激になっている。アマ時代に何度も対戦した松本圭佑(大橋)がひと足早く4月に日本フェザー級王座を獲得した。ともに目標は世界王者なだけに「上を目指すには、いずれ対戦することになる」と近い将来の対戦を待ち望んだ。  昨年7月のプロデビューからまだ1年とたたないが、プロとしての成長を実感している。「過去の2戦は焦っている自分に気付いていた。今日は試合全体を見て冷静に組み立てられた」と胸を張る。世界奪取の最短記録は田中の5戦目。記録更新を狙える位置にいる堤に周囲は盛り上がる。「まだまだ自分の実力では(世界は)厳しい。焦らず地に足をつけて進んでいきたい」とゴールデンルーキーは冷静だった。(近藤 英一)  ◆堤 駿斗(つつみ・はやと)1999年7月12日、千葉市生まれ。23歳。6歳から極真空手を始め、小学5年からはボクシングとキックボクシング、中学2年からボクシングに専念する。U―15、アンダージュニア、全日本アンダージュニア王座決定戦などで全国優勝。習志野高時代は高校6冠。全日本選手権V、日本人初の世界ユース選手権優勝も成し遂げた。東洋大卒。身長171センチの右ボクサーファイター。家族は両親と兄、弟。

 
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